ポエム
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忘却
君の顔ってどんな顔だったっけ
目や鼻の大きさや形も 唇の色や薄さも
何も思い出せないや

君ってどんな服を着て
どんな顔で笑って
どんな声で歌って
僕にどんな言葉をくれたっけ
僕にはもう、思い出せないや

君も僕のことなんて覚えちゃいないだろう
通販番組の掃除道具の実演みたいにさ
綺麗さっぱり 忘れちまったんだろう
僕も同じさ
君の名前と想い出以外は
何にも思い出せやしない

トマトケチャップは洗濯すれば落ちるけど
本の頁は破り捨てれば無くなってしまう
そんなもんさ

太陽と月が変わりばんこで僕らを見張る中
終わりへ向かって歩いてく
捨てられた子猫は
いつか化け現れるだろう

忘却 鳥山あゆむ
21/08/03 01:58更新 / 言欲



談話室



■作者メッセージ
観光地に住んでるので 夏は忙しいです。
夏休みにホテルでお酒を飲むであろう大学生達を見ると
少し羨ましく思う。

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