ポエム
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夏 梅 後悔
想い出の中の君はみんな
いつも憂いを纏って笑ってた
そんな気がする
今じゃもう顔も思い出せない
最後に見た君は  
きっといつもみたいに笑ってんだろう
きっとお互いさよならは言わなかったんだろう
僕には想像することしか出来ない

僕らを指差し嗤う人間たちがいた
僕に消えるように微笑む人間がいた
僕らを吊し上げ蔑む人間たちがいた
僕に哀しそうに恨み言を吐く人間がいた

いつから他人の顔にモザイクが掛かるように
なってしまったのだろう
他人の顔色を窺って生きた僕への
カミサマからの罰なんだろう 

でも お陰で
僕を嗤う人間の顔も見なくて済む
僕を蔑む人間の顔も見なくて済む 
君の顔も 自分の顔も
何もかも忘れて
だんだん心が透けて
身体が透けて
きっと透明人間になるんだ

薄くて軽くて透明で
空気みたいな人間になれたなら
塵みたいに飛んで
あの空の雲になろう
あの夏の雲になろう

何処かの家の
庭の夏の梅を見つめて
そんなことを考えた
そんな夏の始まりの日

夏 梅 後悔 鳥山渉
21/06/30 11:01更新 / 言欲



談話室



■作者メッセージ
予定の待ち時間 ただ音楽を聴いて待つより 何か描こうと思って。
後悔はいくら悔やんでも どうしようもない。
わかってる。わかってるけれど 自分を責めることしか出来ない。

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