ポエム
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夏の君と真昼のツキ
夏の君はいつだって
爽やかな柑橘系の制汗剤の匂いがした
柔らかな黒髪から香るシャンプーの匂いと
ワイシャツからのぞく白い肌の
夏だからってラムネを飲む君が
僕にはとても眩しくて 愛おしくて

君はセーラー服を脱いで
黒髪は染料に侵されて
耳たぶはキラキラと飾られて
ラムネはアルコールに変わってしまったけれど
でも相変わらずワイシャツが似合ってて
白い肌は相変わらず白く 眩しくて
君からは爽やかな柑橘系の香りがした

僕が好きだった君と過ごした夏は遠くて
僕が好きだった君はもう居なくて
雲が流れ 時が流れ
僕だけが真昼のツキみたいに
薄ぼんやりと取り残されている

君はいつかウェディングドレスを着るだろう
でもその隣にいるのはきっと僕じゃない
君はきっといつか白装束に包まれて眠るだろう
でもその顔を見つめるのはきっと僕じゃない

夏の君と真昼のツキ 鳥山あゆむ
21/06/28 01:05更新 / 言欲



談話室



■作者メッセージ
もうすぐ夏が来る。
僕はいつまでも 真昼のツキだ。

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