ポエム
[TOP]
目を瞑る
目を瞑る
浮かぶのは満天の星空と
静かに波が行き来する海
あの星々には手を伸ばしても
きっと届くことはなくて 掴めなくて
波が足首をくすぐるのをぼんやりと
ただ感じることしかできない
割れた貝殻やガラスで足の裏が痛くて
垂れた頭は上がることがなくて
ただ思い出すのは
あの日言われた言葉

君は誰かを救うことができる

今の僕を見たら君は笑うだろうか
煙草の本数だけが増えて
人との関わりは減って
白髪と薬の量が少しずつ増えて
眠る時間が減った

そんな僕に君は
馬鹿にするように嘲笑うだろうか
優しく微笑むだろうか
僕は君に
笑えるだろうか
きっとまた 僕は
うつむいてしまう
うつむいてしまうんだ

夜は永い 
陽が登る前に
月明かりの届かぬ海の底へ
ふかくて くらいせかいへ
しずんでいく

目を瞑る 鳥山あゆむ
21/06/07 01:19更新 / 言欲



談話室



■作者メッセージ
静かな夜の海を眺めたい ぼーっと。
今一番やりたいこと。

TOP | 感想 | メール登録


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c