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恋の後悔
君に両眼を焼かれたんだ
この暗い暗い四畳半の世界には
酒の空き缶と詰まった灰皿
薬のゴミと埃まみれのギター
それからぐしゃぐしゃの原稿用紙しかなかったんだ
そんな僕の世界と外の世界を隔てるドアを
開けた先には君がいて
あんまり暗い部屋にいたもんだから
君の眩しさに僕の両眼は焼かれたんだ

手探りで君の姿形を追いかけて 真似て
匂いを頼りに君の顔を思い浮かべて 憧れて
耳を澄ませて声を聴いて 僕も歌った
擦り切れた心で君を想い 手紙を書いた
両眼の焼け爛れた僕のそんな姿は
君には化け物か何かに見えた事だろう
全部僕が悪いんだ
君もそうだと言ってくれ

僕を否定して 
僕を拒絶して 
僕を殺して
君は笑ってくれ

君は 君だけは幸福な人生を歩んで
最期は笑顔で死んでくれ
僕はまた この暗い世界に
閉じこもっていよう
ひとりぼっちでいい
もう
ひとりぼっちでいいんだ

恋の後悔 鳥山渉
21/02/07 15:04更新 / 言欲



談話室



■作者メッセージ
過去に呪われている。

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