これで君も僕とおんなじさ
善人気取りから
醜い悪党へと成り下がった
僕が君を歪めたんだろう
君が僕を言葉で殺すずっと前から
僕が君の善性をじわじわと
嬲り殺していたんだ
僕が君を変えたんだろう
そうだと言っておくれ

そうだよ
誰かを傷つけるのって
とっても気持ちいいんだよ
どんなにいい子ちゃん演じてても
他人を傷つけて　
歪めて
心に爪痕残してくんだよ
そうやって　誰かの特別になりたがってる
僕も君も不器用だから
そんな風にしか人を愛せない

僕はそんな君も肯定しよう
君が僕を魂ごと否定して
どんなにいい子ちゃんを演じようとも
僕を否定する君も含めて僕は
君を肯定するよ

君は善人なんかじゃない
もうとっくに歪んで腐ってしまってるんだよ
全部僕のおかげさ
だから僕の前では
そんな顔して笑わないで
ほら　早くやれよ
また僕をその視線で　言葉で　魂で
また傷つけろよ

反吐が出るような気持ちの悪い愛を謳うなよ
胸焼けするような甘い恋に焦がれるなよ
君の本性は僕と同じ
醜い醜いバケモノさ

愛情　鳥山渉

■作者メッセージ
正月休みが終わる
酒ばかり飲んでいた
今年もたくさん書こうと思う