あんなに毎日君のことを
ずっと考えていたのにさ
日々の忙しさからかな
だんだん君のことを考える時間が減って
いつの間にか忘れかけていた
あんなに好きだったはずなのに

君もそれはそれは忙しいだろう
きっともう僕のことなんか
残したカップラーメンの汁を捨てるみたいに
無造作に　無感情に　忘れ去ったんだろう
そう思えたら　笑えてきた

君が僕を忘れるのは一瞬
三回願いを言う暇すらないくらいだろう
僕が君を忘れるのはじわりじわり
百回は願いを言えるんじゃないだろうか

結局片想いなんてそんなもん
された方はさっさと忘れて
した方はゆっくり苦しむんだ

結局人間なんてそんなもん
きっかけがなきゃ動けないし
きっかけがなきゃ思い出せない

ほら　忘れたかったのに
また思い出してる
僕の長い夜（じごく）はつづくんだ

忘れかけていたのに　鳥山渉

■作者メッセージ
結局片想いが好き
詩が書けるから