このお話は
いつも頭の中で人を痛めつけてる
ろくでなしの少年が
他人に恋をする話

道行く人々を
視界の端で捉えては
僕ならあいつはああするな
僕ならあいつはこうするな
そんな妄想を爆発させていた

ある日立ち寄った喫茶店
出迎えてくれたのは
同い年くらいの女の子
とても眩しい笑顔をしていた

初めて頭の中で人を
痛めつける以外のことを考えた
十九年の人生で
初めて 恋 というものを知った

それからは毎日
あの女の子のことだけ考えた
どうやったらあの子は幸せに
どうやったらあの子と幸せに
って

でも 人を痛めつけることしか知らない少年は
いくら考えても分からなかった
だから勇気を出して聞いてみた

君は どんな時幸せを感じますか

妄想少年の恋�@ 鳥山渉

■作者メッセージ
一度にまとめようとするととんでもなく長くなりそうだからシリーズ化（？）することに。

少年 とか おばけ もしくは 化け物って題に入ってる作品は
基本的にモデルは自分だったけど
今回はそれこそ完全に妄想の中の少年のことを書くことに。
うまくまとめられるよう頑張ります。