ポエム
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祖父へ
どうして そんなところで眠っているの
またいつもみたいに しゃがれた声で
笑って話しかけてきてよ

どうして そんなに穏やかに眠っているの
またいつもみたいに しわくちゃの手で
僕の手を握ってよ

起きてよ お願いだから
まだ美味しいご飯屋さん
連れてってもらってないよ

起きてよ お願いだから
まだ一緒に釣りに
連れてってもらってないよ

まだまだ読んでもらいたい詩が
見せたい景色がたくさんあるんだよ

でも そうか
疲れちゃったんだね
疲れたら 眠りたくもなるよね
そっと しておくよ

おやすみ

祖父へ 鳥山渉
20/10/22 22:46更新 / 言欲



談話室



■作者メッセージ
ネタ切れと私生活の忙しさから 一日2本投稿が途絶えて9日ほど経った今月13日。
祖父が天国へと旅立った。
以前 「生きる為に」を投稿した時 メッセージ欄に少し書いた 祖父だ。
「生きる為に」登校時は入院していたが 退院して 叔父の家で暮らしていた祖父。
持ってあと2年と聞いていて ちょうど先月末 会いに行こうかなんて話をしていたら その前に亡くなってしまった。
母から報せを受けた時 実感は湧かなかったが 布団の上で眠る祖父を見て 涙が止まらなかった。
この気持ちを作品にするのは 祖父へ失礼じゃないかと思った。
でも 祖父は「生きる為に」を書いた時 「これからも書き続けろ」と言ってくれた。
迷って迷って この作品を書きました。

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