船旅おばけ
島の岬にいつも居る
透けてしまいそうなあの少女
可愛い顔だが にこりとも笑わない
君は水平線を眺めたいのか
だから船旅をする僕が邪魔なのだろうか
船の上から眺めているといつも
彼女は決まってそこに居る
初めて見かけたのは三年前
晴れた春の日のことだった
船の上から双眼鏡で眺めるのも
そろそろ飽きては来たけれど
君は生者で僕は死者
決して友達にはなれないだろう
だから 僕はこの距離感を守ろう
だから 僕は君に何も問わない
想うだけだ
君はその両眼で何を見てる
海か 夢か それとも僕の知らないナニカなのか
僕はこの両眼で何を見てる
少なくとも君ではない 君ではないんだ
僕はずっと過去を見ている
船旅おばけ 鳥山渉
透けてしまいそうなあの少女
可愛い顔だが にこりとも笑わない
君は水平線を眺めたいのか
だから船旅をする僕が邪魔なのだろうか
船の上から眺めているといつも
彼女は決まってそこに居る
初めて見かけたのは三年前
晴れた春の日のことだった
船の上から双眼鏡で眺めるのも
そろそろ飽きては来たけれど
君は生者で僕は死者
決して友達にはなれないだろう
だから 僕はこの距離感を守ろう
だから 僕は君に何も問わない
想うだけだ
君はその両眼で何を見てる
海か 夢か それとも僕の知らないナニカなのか
僕はこの両眼で何を見てる
少なくとも君ではない 君ではないんだ
僕はずっと過去を見ている
船旅おばけ 鳥山渉