ポエム
[TOP]
一千一回
一千回 あの日の僕を殺した
負け犬としてのゼロが始まった日の僕を
涙が枯れたあの日の僕を
許せなかった 憎たらしかった
気が狂いそうだった
でも 一千一回目 僕は僕を許せた
負け犬として歩み始めたから
涙が枯れてしまったから
今の僕は 在るんだ
そう思えたんだ

一千回 君への告白を考えた
山頂で 海辺で お店で 部屋で
花束を ピアスを 手紙を アルバムを
どれもダメだった 返事の台詞は決まってた
「ありがとう でも 君とは友達がいいな」
でも 一千一回目 妄想の中の君はOKを出した
なんでもない時に
なんでもない言葉で 愛を伝えた
そしたら君は頷いてくれる
そんな気がしたんだ

一千回 他人に語った夢がある
全部が全部笑われた
何もできないお前にできるわけがない
現実を見ろ って
悔しくて でも 泣けなかった
でも 一千一回目 笑わない人に出会った
素敵な夢だねって
僕はこの人と一緒に叶えたいと思った
この先を この人と歩みたいと思った
叶えられるまで 一千年だって生きてやる

一千回 想像された景色がある
妄想癖を拗らせた旅する負け犬が
初めて思い描いた景色だ
拙く 脆く 不細工な景色
海へ流された「それ」が巡り巡って
一千一回目に想像された時
思い描いた人は何を思ったのだろう
ありきたりだと思っただろうか
素晴らしいと思ってくれただろうか

その答えを聞き 次の目的地を定めるのが
今の僕のこの小さな旅の目標
その景色を現実に求めて 他でもない君と
探し回るのが僕のこの小さな人生の目標

一千一回 鳥山渉
20/08/05 04:31更新 / 言欲



談話室



■作者メッセージ
初投稿作 「旅の目的地」が 本当にありがたいことに1001回閲覧されたので
記念に。
150作品書く前に達成してしまった。
皆様 有難うございます。

初めてこのサイトに来た時は こんなに見てもらえるなんて思ってなかった。
いいとこ 10回見てもらえるかな くらいに思ってた。
当時あった投票機能も 1票でも入ったらいいなと。
投稿時 正直こんなに長く詩人として活動を続けるつもりも こんなに情熱を注ぐ気もなかった。
ぼんやり軽ーい趣味程度に と思ってた。
でも 初めて見てもらえた時 初めて票が入った時 初めて感想がついた時 この上なく嬉しかったのを覚えてる。
その気持ちは今でも変わらないし 投稿時に思い描いた景色が見たい気持ちも 自分の言葉で大勢を救いたい気持ちも今も変わらない。

初めは正直 感情を表にあまり出さないつもりだった。
でもいつの間にか 感情的な詩が増えていった。
ここに投稿している方々は皆 素晴らしい言葉で 価値観で 素直に世界を綴る。
その素直さに触れていくうちに 僕も自然と感化されたのかなと思っている。

前回投稿した作品のように 時々妬ましく感じる時もある。
それも自分の素直さ故だと思っています。

これからも素直に 思うがままを綴り 少しでも誰かの力になれる事を目標に
まったりやっていきます。
温かい作品を読んで心を温めてもらったり
ネガティヴな作品を読んで共感してもらったり
幻想的な作品で少し旅をした気分になってもらったり
色んな味の入ったキャンディアソートみたいな詩人でいたいです。

長文失礼致しました。
ここまで読んでいただいた そして これまで読んでいただいた全ての方に最大級の感謝を。

TOP | 感想 | メール登録


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c