よるのぼく
月を眺めながら ふわりと歩く
今夜も眠れそうにない
街灯のない道を 雲のように歩く
ぼくは空の一部
暗闇を眺めながら とろりと歩く
今夜も外は冷え込んでいる
ぼくの前を三毛猫が通る 暗闇にとっぷりと呑まれていく
ぼくは暗闇の一部
遠く 潮騒が聴こえる
ぼくの町に海はないのに
近く 潮騒が聴こえる
ぼくの耳の中から
ぼくは海
空を映す
ぼくは海
暗闇を映す
ぼくは静かな夜の海
よるのぼく 鳥山歩結
今夜も眠れそうにない
街灯のない道を 雲のように歩く
ぼくは空の一部
暗闇を眺めながら とろりと歩く
今夜も外は冷え込んでいる
ぼくの前を三毛猫が通る 暗闇にとっぷりと呑まれていく
ぼくは暗闇の一部
遠く 潮騒が聴こえる
ぼくの町に海はないのに
近く 潮騒が聴こえる
ぼくの耳の中から
ぼくは海
空を映す
ぼくは海
暗闇を映す
ぼくは静かな夜の海
よるのぼく 鳥山歩結