どこかに行ってきたんだね
長い間
おかえりなんて言わない
ここがあなたのいるべき場所だった
だからまたここに
当然のことさ
わかっていた

何も言えなかったのは
朧げに見えていたはずだったことが
乱反射のまやかしだったから
蜃気楼はまたやってくる
その時また出会える
そう思っていたから

無機質で規則的なものに
騙されるほど
まだ僕たちは大人じゃない
蹴飛ばしていた石は
側溝に消えていってしまった
それだけのことだろ

いつか飴は溶ける
噛まなくても
表面にある甘さが無くなるその瞬間まで
変わることはない
気がついた時にはもう遅い

長い旅路はこれからも続くと信じているよ

■作者メッセージ
刺々しくてもホームタウン。突き刺さるほどホームタウン。