ポエム
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彼女へのキャンバス
貧しい絵描きの僕には二つ
小さな家とキャンバスがあった
そんな僕は彼女に恋をした

花屋を見て百万本の薔薇を買おうと思った
だけれどそんな余裕なんて無かったから

僕には小さな家とキャンバスがある
他には彼女への大きな想い
お金ではこの大きさは表現できないから

ある朝彼女は荷物を受け取った
差出人不明の詳細不明の真っ赤な花の絵
それを見た彼女は
どこかの有名な画家が
からかっているのだと思った

あなたは見ている
百万本の薔薇の花が描かれたキャンバスを
僕の繊細で熱大な気持ちを
真珠のように輝いている目で見ている

二人はそれで終わり
ジャズシンガーの彼女は別の街へ
音楽を演じに女優は馬車に消えた

別れ際のあなたを
遠くで僕は眺めてる
馬車の中であなたは僕の気持ちを眺めていた

貧しい絵描きの僕にはある
小さな家とキャンバスそして
長く続く彼女へのキャンバスの気持ち
真っ赤な百万本の薔薇の絵は
彼女の真っ赤なビロードの人生
19/02/12 03:23更新 /



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