ポエム
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不明なりんご
ずっと、別な場所にいる

わかりやすく言えば
皆同じ部屋に居るのに
私だけ別な部屋に居るような

防音
そこには自分だけの音しか無い

他人の音は全く入らない

たまに自分の部屋のドアを
少しだけ開いて小さな他人の音を聞く
たまに自分の部屋のドアを
大きく開いて大きな他人の音を聞く

そしてまた閉める

鍵をかけて

私の身体には自由が利かぬよう
頑丈な鎖が幾らにもきつく巻き付いている
部屋は、得体の知れぬ
言い表せぬ液体や個体、気体に溢れる
囲まれ、埋もれ、わからない

きっと、腐れている
スベテ
何色かわからない部屋の壁に
日々のヒビが何本も入っていて
何かで抉ったような跡がついている
殴った跡がある
拳の形がハッキリとみえる
濃い跡

殴っても蹴っても壁はそれを受け止める

もうすでに、壊滅しているから
殴っても、蹴っても
それを受け止められているのかもしれない

身体中傷だらけなのかもしれないのだろうか

そんなコトは、無い

だって、ほら
私のりんごは動いている
18/10/05 22:16更新 /



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