誰か私に気づいてくれ
私はここにいる
君の目の前に
地平線の彼方に
ちゃんといるんだ


一人でいるのはもう嫌なんだ
だから私を探してくれ
君のポケットの中から
ざわめく街の中から
静まり返った森の中から
どうか私を見つけてくれ
一人にしないで欲しいんだ


もし私を見つけたとして
その私が逃げようとしたのならば
どうか全力で引き留めてくれ
私が必要なんだと
どうか大声で叫んでくれ
そうでないと私は
息をしていていいのかわからなくなるんだ



私は臆病だ
それでいて狡賢い
そして何もかもが信じられない疑心暗鬼で
もちろん人間不信でもある
だから君に捕まった私は
きっとこう言うだろう


「私は何のために生まれ 生きているのだろう」



そう呟く私に
君は真っ直ぐな目をして
いつもこう返すんだ


「生きる理由を探すために 生まれ 生きていくんだよ」


そんな君だからこそ
私は君に見つけて欲しいんだ
そうやって
語りかけて欲しいんだ
そうすれば
こんな私でも生きてて良いと思えるから


だから
君が私に気づいてくれ
君が私を見つけてくれ


君が私の手を取ってくれ