ポエム
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vivid
パレットに落とした色彩が
あやふやな言葉で滲んで溶けた
画用紙に散らした筆跡が
かすかに心の奥を撫でた

あなたへと伝える想いなんて
笑えるほどあり余っているのに
形にしようと思うほど
歪に霞んでしまうような

不甲斐なくて
意気地なくて
それでもあなたを愛してたくて
明日になっても
何時になっても
こんな何気ない日々が
続けばいいななんて思うんだ


鉛筆で描いた風景に
うやむやな気持ちが浮かんで消えた
書きとめておかないと忘れそうな
か弱い色が光っていた

言葉にしないと伝わらないのに
言葉じゃ伝えられそうもなくて
掴めない 透明なそれを
どこへやればいいのか

零れた絵の具が線を引いて
ふとあなたの髪を彩った
するとあなたは指で色をなぞって
「綺麗だね」って笑ったんだ
刹那 目の前に見えるものすべてが
鮮やかな色を纏っては
溶けた視界に溢れては
どうしようもないくらいに 愛しくなったんだ

「あなたを探していたんだ」

不甲斐なくて
意気地なくて
それでもあなたに愛されたくて
明日になっても
何時になっても
こんな拙い花のような色を
見ていてほしいなんて思うんだ

限りなく鮮やかな あなたの色に
ただ触れていたいと思うんだ

19/05/11 23:58更新 / Eine



談話室



■作者メッセージ
閲覧ありがとうございました(*^¬^*)

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