ポエム
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セピア
青い空の真ん中を
白い飛行機が横切った
宝石の表面をけずったような
ざらつく跡を残して

教室の窓から見える空は
どんな時も小さくて
狭い箱の中で息をしながら
溜め息をついた

本棚に乗った綿ぼこりも
机に刻まれた落書きも
あと何年も経った後には
誰かに雑巾を押し当てられて
消えているのだろうか

いつかみんなで見た桜は
あれほど綺麗だったのに
僕らが大人になる頃には
色褪せてしまうのかな
つるつるした写真みたいに
思い出を切り取って
ずっと変わらなかったら良いのにな


蒼い空の真ん中で
一番星が煌めいた
街灯がひとつ灯ったような
暖かい色を残して

教室の窓から見た校庭は
どんな時も賑やかで
小難しい本を開きつつ
溜め息をついた

黒板に残る「おめでとう」も
ふざけて描いたキャラクターも
あと何年も経った後には
誰かに消された跡も残さず
無くなってるんだろうな

いつかみんなで見た夕日は
あれほど綺麗だったのに
僕らが大人になる頃には
忘れてしまうのかな
ざらざらした不安感だけが
思い出に沈んで
ずっと燻ってたら嫌だな


いつかみんなで騒いだことも
いつか僕だけ怒られたことも
それをネタにして笑ったことも
全部 とっておきたいんだ


いつかみんなで見た桜は
あれほど綺麗だったのに
僕らが大人になる頃には
色褪せてしまうだろうな
変わらないものなんて無いのなら
どれだけ色を失おうとも
みんなと生きたこの時間を
見つめて 逸らしたくないよ

抱きしめて 忘れたくないよ

19/04/07 16:24更新 / Eine



談話室



■作者メッセージ
出会いと別れの季節…ということで、卒業っぽい詩にしてみました。
ご閲覧ありがとうございました🌸

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