嘘付き
いつからか
チョコはミルクじゃなくてビターをえらぶようになって
コーヒーに角砂糖は一個で耐えられるようになった
バイト先の年上の先輩に魅力を感じるようになってから
世間の流行りに追いつこうと雑誌を買うようになった
映画をみながら人目を気にせずに泣けるようになったし
お酒だって、美味しいか不味いくらいならすこしは分かる
とうの昔に幽霊なんか怖くなくなったし信じなくもなった
大勢でいることが必ずしもたのしいわけではないだろうし
社会に出てからはむやみに大人を信用できなくなった
大人になるということ
高校からの憧れだったロックバンドは
「 方向性の違い 」なんてきたない嘘で去年の秋に死んだ
一か月前、2年も一緒にいた彼女に別れを告げられて
動揺を笑いながら誤魔化そうとしたけど、いつも
みたいに目を細めて笑う彼女はどこにもいなかった
笑っちゃうよな
でも引きずるほどではなかったしこうなることが
ずっと昔、どこかで分かっていた気さえもしていた
一人になるということ
「 素直な人が好き 」
思い出に取り残された忘れたいはずのことばが
ぼくをちいさな嘘さえもつけない人間にさせた
チョコはミルクじゃなくてビターをえらぶようになって
コーヒーに角砂糖は一個で耐えられるようになった
バイト先の年上の先輩に魅力を感じるようになってから
世間の流行りに追いつこうと雑誌を買うようになった
映画をみながら人目を気にせずに泣けるようになったし
お酒だって、美味しいか不味いくらいならすこしは分かる
とうの昔に幽霊なんか怖くなくなったし信じなくもなった
大勢でいることが必ずしもたのしいわけではないだろうし
社会に出てからはむやみに大人を信用できなくなった
大人になるということ
高校からの憧れだったロックバンドは
「 方向性の違い 」なんてきたない嘘で去年の秋に死んだ
一か月前、2年も一緒にいた彼女に別れを告げられて
動揺を笑いながら誤魔化そうとしたけど、いつも
みたいに目を細めて笑う彼女はどこにもいなかった
笑っちゃうよな
でも引きずるほどではなかったしこうなることが
ずっと昔、どこかで分かっていた気さえもしていた
一人になるということ
「 素直な人が好き 」
思い出に取り残された忘れたいはずのことばが
ぼくをちいさな嘘さえもつけない人間にさせた