ポエム
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朱黒祭泳
朱や黒やとあくせく泳ぐ
掬いを待つは金魚のすがた
餌をくわえる魚とちがう
祭りのふぜいに合わせたいのち

泳ぎゆく一瞬の群れを
どうにかしてつかまえたいと
進んで手をだしては
時に待ち伏せる

ひとは無作為な掬い主
「今日は何匹すくえましたか」
閉じこめたままが良いとのたまい
情けであれと祈るひと

彼らは息すらあやういのに
薄いビニール袋のずっとむこうの
大海を知るよしもない
新居「水槽」狭いかひろいか

去年はすくえなかったね
今年はすくえました
来年はすくえるかな
水槽に置きさられた暑いきおく

とうめいな玻璃玉に
胸の内にくべられたらいい
あの掬いあげた瞬間の
しずくが落ちるせつなを

あくせく泳ぐ
朱や黒やと
祭りのふぜいに
合わせたいのち

朱や黒やと
入りみだれては
朱や黒やと
あくせく泳ぐ

掬いを待つのか金魚のすがた
真夏を待つのか金魚のすがた

祭りのいのちはふぜいに合わせ
あくせく泳ぐ朱や黒やと
15/01/28 12:19更新 / キョーカ



談話室



■作者メッセージ
金魚すくい。

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