ポエム
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ナツノヒ・ラムネ
1.
夜な夜な首を絞めてくる化物たちが
夏の日差しに焼かれる頃
無言でラムネを寄越す少女は
逆光じゃなくても真っ黒で
顔のない陽炎の幻
カランとビー玉が転がった

2.
化物たちは周りを回るようになっていた
ぐるぐるそれは朝まで続くので
ローシュタインの回廊を知っているか
ひとつ訊いてみたくなった
化物たちが更なる化物を呼ぶのか
ほんの少し興味があったが
ああ、ラムネの瓶は2本目だ

3.
瓶から取り出したビー玉の碧さが好きで
集めた幼い記憶の中に
日差しに透かした影を見た
レンズで焼くような輝きは
化物たちはきっと理解出来やしない
いつの間にか栓をしていた
だから不意に振られて溢れ出すんだ

4.
夏祭りの雑踏に化物たちがやって来る
擦れ違いざま襲うつもりで
屋台に誘われる時間を楽しめ
顔のない少女はいない
ラムネに厄除けを願うこの頭に
ぶすりと差し込む刺激を下さい
泡と共に花火は上がる
何も知らずに花火は上がる
15/02/02 10:56更新 / キョーカ



談話室



■作者メッセージ
ラムネの魔力。

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