ポエム
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きのこ
どどめ色したきのこが歩いています
一足踏み出すごとに猛毒を撒き散らします
じっとしていても、毒は止まりません
こんな具合なものですから
嫌われるのをおそれ遠くへ歩き続けるのです
あるとき、きのこをかじる者があらわれました
「僕は毒です、おやめください」
「わたしは、この毒が愛しいのです」
きのこは飛び上がり舞い上がり
日を追うごとに目映い美色となって
芳しい匂いを放ちました
毒を失せたきのこは捨てられました
あふれた涙に溶かされて
きのこは土へと還りました
22/09/14 18:48更新 /
rin
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