ゆらゆらぐるぐる
手の内には 一枚の手札
何度も切ろうとして切れなくて
捨てようとして捨てられなくて
結局くしゃくしゃにして
今でも握りしめている
ほくろのように ちいさな点
かかとについた ちいさな点は
ちいさな点であるけれども
あまりに強力な接着剤で
大穴を背に 大穴の縁に立つ僕を
空虚な大地に 繋ぎ止めている
接着剤が溶けたら 落ちてゆく
手札を切ったら 接着剤が溶ける
落ちたいのか 落ちたくないのか
縁にかかとを ひっつけて
底見えぬ大穴に もたれるようにして
ゆらゆらと、
ゆらゆらとしながら 僕は
曇天を眺めている