石から星へ
尖っている。丸っこい。きらきらしてる。
なめらかだったり。角ばっていて。ごつごつしてる。
苔だらけ。傷だらけ。泥だらけ。
大きいのも。小さいのも。中くらいのも。
見渡せば 明らかな個々の姿を持つ石の面々。
堅実に駆けるもの。飛び跳ねて山越え行くもの。
わざわざ険しい峠を選ぶもの。
なんとなく 自分もそうしなければと
ころりと混じって。
おどおど きょろきょろ 転がってみて。
傷がつかぬよう いつしか外に鎧をまとい、
まとえばまとうほど
中が空洞になっていくのは 気のせいか。
なんだか訳もなく からっぽが泣けてきて。
道を外れて絶壁から空にダイブしようか。
深い川底の暗さを確かめに行ってみようか。
鎧を脱ぎ捨てていっそ崩れてみせようか。
中の空洞で迷いがぐるぐるかき混ざり
核を成すように 出た答えは。
空虚な中身も薄ぺらな鎧もだいじに抱えて
削れて 削れて 砂になる。
自分のテンポで 自分を愛し 自分の道を転がって。
いつかはこの星の砂になり
いつかはこの星の風になる。