俺はいつの間にか
未開の地を開拓し
社会に溶け込み
平穏な日々を送っていた野郎だ

でもな
たまたまかもしれんが
あのとき全てが吹き飛んだんだ

台風一過って言うだろ
清々しいくらい何も残らなかったぜ

誰も俺のことを見ちゃくれないし
誰一人俺を訪ねてこなかった

みんな俺のことを忘れちまったのかよ
友達と呼べた人はあんなにもいたのに

今では仕事が友達ってことか
ふざけんな

わかってるよ
みんな自分の人生に
必死だってことは

わかってるよ
見返りなんて
求めてなかった

それでも俺は
自分の道を
それでも俺は
誰かのためを
それでも俺は
逃げはしないよ
それでも
それでも

■作者メッセージ
これはr4.9の台風