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命の行き先 #まろ黒詩
生きていることから
生きていることを認識できない
死ぬことから
死ぬことを認識できない
死を意識して初めて生を感じる
相対的だ
呼吸していることと同じ
心臓が動くことと同じ

果たして生きるとは
たった今この瞬間に
世界を飛び回っていようが
布団にくるまっていようが
人の上に立っていようが
親のすねをかじっていようが
命は同じ重さ
死を迎えるという
逃れられない真実を背負っている
逃げても諦めても
立ち向かっても
結末は何も変わらない
なら教えろよ
命の行き先

小さな世界
空腹
日が沈む
暗くなる
眠い
呼吸
心臓の鼓動を聞く
何か聞こえる
怖くなる
もうこんな時間だ
また同じ日を生きた
少し寒い
少し暑い
また桜が咲いている
道を行く子供の声
また同じ
また同じ
いつか
いつだ
今日か
明日か
知り得ない
命の行き先
20/03/08 09:40更新 / 眞六 あつし



談話室



■作者メッセージ
昔は死んだら、宇宙から地球の誕生から滅亡までを眺めるもんだと思っていました。

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