冬に子供が生まれる
随分とご無沙汰しています。
年賀状だけの関係になって久しいですが
お変わりはないでしょうか
もう僕は君より一足先に
折り返し地点のポールをぐるりと回りました
人生もいよいよ残り半分です
君と初めて出会ったのは高校時代
僕らはたまたま同じ名字で席順も前と後ろだった
君は運動部で僕は帰宅部だった
特に接点も無いまま卒業し
僕は大学生のふりして引きこもり
君は浪人生という選択肢を選んだ
言葉の違う土地に馴染めなかった僕は
なぜか君に手紙と本を送った
君から返事が来た
それから
互いの読んだ本を送り合うようになった
本が僕らを繋いでくれた
就職してからも頻度は減ったけれど
気が向いた時に本を送った
それもいつしか途切れてしまった
今でも君は本が好きなのだろうか
どんな日本語に心の奥を揺さぶられ涙しているのか
そんなことばかりが頭を過ります
なので久しぶりに君に本を送ります
すでに持っているかもしれないけれど
後悔だけは死んでも嫌なので送ります
今度会った時に感想を聞かせて下さい
十年後でも二十年後でも全然いいので
愉しみが増えて僕は堪らなく嬉しいのです
P.S.
件名で変な誤解をさせてすいません
あれは本のタイトルです!