ポエム
[TOP]
台風
小学生の頃

台風が来るから休校と朝早くに
家の電話がなった

母は
「私は仕事だから家でおとなしくしとくんよ」
と言った

俺は元気よくいい返事をした

小学生の俺も馬鹿じゃない
台風が来たら休校になることは
前の日からわかっていた

前日に親友と計画たてた

親友の親も共働き
家には誰もいなくなる

親たちが帰って来るまで
俺の家でゲームしよう

「俺の親は8時ごろ家を出るから」
「俺んちは7時半」

ワルガキどもはニマニマと
盛り上がった

親が出たのを確認して
8時10分電話をかける

ほどなくして
息をきらし、お菓子をいっぱい持って
親友がきた

ゲームをすこぶる楽しんだ
ゴールデンアイ
大乱闘
マリオカート
時代は64だ

突然、ものすごい音とともに
ゲームが切れる

停電だ

怖いもの知らずのワルガキどもは面白がって
外にでた
自分の身は自分で守れると確信していた

空飛ぶトタン
転がるバケツ
なびく電線

……電線?!!?


やべえ


これはシャレにならん

風が落ち着くまで待って帰ろうや
親が帰るまで時間はある

時間はあるはずだった…

ガチャ…ただいまー

えっ嘘


しこたま…
しこたま怒られました

ごめんなさい

俺の親は親友も、しこたま怒ってました


親友、あのときはごめんな
菓子、ごちそうさま
もう台風の日はおとなしく家にいような
22/09/19 23:57更新 / でぶっきー(アテスエ)



談話室



■作者メッセージ
台風が来るたびに思い出します

TOP | 感想 | メール登録


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c