ポエム
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私の名医
「あんたは私の名医じゃ」

ばあちゃんがよく言ってた。

晩年、体調を崩しがちなった。
少しずつ物忘れも多くなっていった。

僕はおばあちゃん子だ


かちかちに握ったおにぎり
何も隠しきれてない隠し味の
にんにくと醤油が入ったカレー
今にも形がなくなりそうなおでん

シワシワの顔
あったかくて細い手
いつも明るくて
冗談が好きで
優しいばあちゃんが大好きだ

あんたは私の名医じゃ
初めて聞いた時
正直ボケたんかと思った

「ばあちゃん、俺、医者じゃないよ」
「うんや、あんたの顔みて、
声聞いたら元気になる!」

シワシワの笑顔で言う

そういうことか
えかった、まだボケとらん。


ばあちゃん、俺はヤブじゃ
本物の名医はずっと元気にできんと

ばあちゃんが俺の名医だったんじゃね
最近わかったんよ

俺は今でも元気じゃけぇね
22/02/04 02:59更新 / でぶっきー(アテスエ)



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