俺は嘘をついた。

いい人の話をする君に

「いい人がいるのは幸せだね！
早く結婚できるといいね」

本当はそんなことこれっぽっちも思っちゃいない

そいつはどんなやつなんだ？
本当に君を幸せにできるのか？

これが本音

そして自分に嘘をついた

「俺はまだ結婚とか考えてないし、好きな人もいないから」

本当はそんなことこれっぽっちも思っちゃいない

早く結婚したいし
実は君のことが好きだ

これが本音

12年間、友達でいた

ずっといい人がいる君
手を拱いてた俺

臆病もの
意気地なし
気持ち悪い
信じられない
いろんな声が聞こえてくる

俺も結構考えた
寂しいだけで、本当に好きなわけじゃないのかもしれない
じゃなかったら、12年も…

でも、本当に好きだった

君のくしゃって笑った顔も
大きな声も
時々見せる仕草も
君の優しさや凛々しさ
強さや弱さも

もし、本音を言えば君は…
辛くて悲しい思いをするだろう

自惚れてるわけじゃないけど
たぶん君は俺の事を信頼してくれてたと思うから

君の事を想うふりなだけで
言い訳なんだ、たぶん


「幸せになってね」
「君が幸せなら俺も幸せ」

そしてまた嘘をつく