秋台風が通り過ぎ　一人佇む向日葵に

麦わら帽子はもういらない


ほとんどは台風前に片付けられた

黙って目を瞑る　最後の向日葵


残した種たちに安堵して

振り返ることもしていない


大丈夫だよ　僕は

また　来年咲けばいい


死ぬことなんかちっとも怖くない

一からやり直すだけだから


大人になった向日葵に

麦わら帽子はもういらない


なんとかなることを知っている

何があってもただの経験だって


また来年　太陽みたいに咲く向日葵に

麦わら帽子はもういらない

■作者メッセージ
読んでいただいてありがとうございます