たとえばなし
たとえば
知らない街を歩くこと
たとえば
死ぬまえにみた走馬灯
たとえば
愛している人の寝顔
たとえばそれは
わたしだけ感じるとして
わたしが価値を置いても
あなたには見えないもの
あなたにはあなたの それ があって
ひとつのものは人の数だけ役割があって
また意味もちがう
わたしはその ちがい が
どうしようもなく疎ましくて
知るかぎりの言葉で埋めようとしてそして
叶わないことを知るのだ
たとえばそれは
わたしの命で
たとえばまた
わたしの叫びだったのに
19/12/21 22:49更新 / 藁の家