ポエム
[TOP]
下校
車窓を眺む。

制服は僕のまま溶かす。
例うなら溶鉱炉のコークスだ。

夕焼けとグラウンドのナトリウムランプは水晶体を融かす。
ちっとも温かくなんてないが。

全く理解ができない。

鉄橋のトラスは僕を冷ました。

誰がために電車は走る。
誰がために私は生きる。
誰がために、

そうだ。僕に訊いたってくだらない厭世観をひけらかすだけだろう。

いや、いい。このままでいい。
この溶鉱炉で冷ややかに燃え尽きちまえばいい。

もう遅いか。

今日は定期外だ。
21/11/16 19:04更新 / カンパネルラ



談話室



TOP | 感想 | メール登録


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c