ウサギとカメが恋をした
お互い一目惚れだったから
仲良くなるのは簡単だった

種族は違っても一緒にいられるだけで
幸せだったウサギはある日こう思った

｢自分はウサギだからカメさんより先に死んじゃうね｣
だからウサギは自分が死んでもカメが寂しくないように
自分に似せた小さな人形を作った

カメはとても喜んで肌身離さず持っていた
でも本当は
カメはウサギが生まれるずっとずっと前から生きていて
あと少しの明日しかなかった
カメは明日その事をウサギに言おうと思い眠りについた

次の日ウサギがどんなに待っていてもカメは来なかった