ポエム
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植物人間
空から無数の星が降って
僕の身体に突き刺さったら
零れる光を拾い集めて
飲み干して溜め込んでおいて
星が全て無くなったとき
夜空へ向けて返しましょう

地面の下の生き物たちが
僕の根っこを食べたなら
両足の束縛が解けるから
地面にどさりと倒れ込んで
いつか夢見た広い世界を
這いずり廻って喜びましょう

いつか僕が君と出会ったら
きっと君は気持ち悪くなり
僕を踏みつけ去るでしょう
そしたら僕は土に還って
肥料になって種を包んで
綺麗な花を咲かせましょう

君が再び僕と出会ったら
僕は君にはもう会えなくて
君はこの花を見て微笑んで
あの雑草とは大違いだと
花を摘みながら嘲笑する
その声を聞いて泣きましょう

夜空へ返した無数の光が
僕を迎えに来たというなら
みんなが忘れてしまった小さな
大事な大事な忘れ物を
壊さぬようにそっと抱いて
一緒に夜空へ返しましょう
18/09/25 16:08更新 / なさか



談話室



■作者メッセージ
誰か気づいてくれたら

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