過去の君と今の自分
大人になって、働いて、帰って、寝て。
それが死ぬまで続くんだろうか。
そう思うと憂鬱になる。
ふと、学生の頃の想いを寄せた人の事を思い出す。
今は全く違う世界で、頑張っているのだろうか。
彼女は今どこにいるんだろうか。
彼女は今何をしているのだろうか。
しかし僕はもう、彼女の声を忘れてしまった。
記憶のアルバムにもしまってない、彼女の声。
忘れた。
完全に忘れたのだ。
だけどそれは、彼女を忘れてしまった“つもり”。
記憶の中でいつしか、押しつぶしてしまっていた。
今も、この狭い世界で、記憶の中の君を探している。