ポエム
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彩り
明るい目をした少女だった
―きっと素直なんだろうな―
その少女が 今朝は猫を連れて
田舎の道を歩いている
―おはよう―と声を掛けると
振り向いて手を振ってくれた
近づいて 猫の腹を撫でると
彼はその場に寝っ転がった
少女は笑い声を立てて
この小さな風景に彩りを添えた
空を見上げると 紛れもなく
初夏の陽射しだ 一緒になって
歩いて 自販機のところまで―
―ごちそうするよ―と私
―いいの?小父さん―と彼女
初めて聞く彼女の声は
樹のように澄んでいた
私が笑って頷くと―じゃ これ―
二人と一匹は暫くそこにいて
仲良く分かれた 彼女は
曲がり角で微笑みながら
私に手を振ってくれた
21/05/28 18:04更新 / 武中義人



談話室



■作者メッセージ
梅雨の晴れ間でした。上着の袖をめくって、清々しい風を受けました。

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