ポエム
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お袋さん―
お袋を睨みながら 弁当箱を
引っくり返した 彼女はキッと
口元を結び 静かに片づけていた
何度同じことをしても同じことだった

弁当を丸ごと残して ポンと
食卓の上に載せていたこともある
―お腹が空いたでしょう? 母は
笑いながらラーメンを作ってくれた

―かなわない ゴメンよ 母さん―
もうこの叫びは届かないのかなぁ
貴女が逝って23年―私は

<あなた>の子どもだ それ以外にない
貴女の遺影の下で 今朝も手を合わせる
―お母さん 今日もいい天気ですよ―と
21/05/18 18:33更新 / 武中義人



談話室



■作者メッセージ
5月は、母の逝った月です。私事ですが。痛烈に、その優しさを思い出します。

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