ポエム
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春になって
緑の映える空に ズーと
手を差し伸ばしてみる
すると 指先が光って
爪の内側が透き通ってくる

1日いちにちが 過ぎ行く
季節の内部で新しくなってゆく
その傾斜に身を預けて 私たちは
仰角の楽しさを知るのだ

窮屈な答案用紙よ いずれ
何かを書かなければならないが
それが正解でなくとも
一向に構いはしない 何かを

為したとすれば それは
その発端が大切なのであって
窓が庭に流れてゆくその
奥行きが測られるべきだろう

呼吸という仕種は 必ず
その奥に宇宙を蔵している
それは企みなどでは決してなく
自然の深みに当て嵌まるということ

明るみに目をやれば 瞳が
輝くように 実際に会得する
向日への賛歌として 毎日に
設えられた特別の席なのだ
21/05/01 23:48更新 / 武中義人



談話室



■作者メッセージ
今日の昼は、風が強く、それでも温かかったのは好かった。明日は、また明日の天候に恵まれるでしょう。

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