ポエム
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命の音
幸せも哀しみも命の音―
例えばこの田舎の山に
桜が咲くのは 野性を
磨かれた猫たちの喜び―

そして―散るというのは 次への
誘(いざな)いや導入として快適に
迎えなければならないこと―
経験はいずれも促しに通ずる

昨日までの問題が 今日を
膨らませ 明日解決するとは
何という宇宙の配慮であろうか
そしてこころは宇宙なのである

陽が昇り明るくなると
泉の水が活気づくように
こころの蒸留も行われるようだ
それが命の音を拡声させる

必ずしも理屈ではないが
整然とした脈絡の連続であろう
眠りの裡で整えられた記憶が
明日を夢見るとしたらこの時だ

賭けとして成り立たない
明日への賭けは どこまでも
純粋なものであるはず それが
命の音を更に積分するからだ
21/04/17 08:41更新 / 武中義人



談話室



■作者メッセージ
こちらは雨です。柔らかな、潤いある空気です。

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