ポエム
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ある日に―
もう夜だから きみのいる
所にはゆけない 遠くのきみよ
朝は光りの予感とともにやってくる
そしてきみのもとに光りの花束を届ける

朝が好きだ 小さな一日が
繭のように透き通ってゆく
ぼくはその丸みに沿って歩けばいい
それが生きてゆくことにきっと繋がる

昨日のことだ きみへ―
ぼくがある街角で転ぶと
みんな笑ってくれたよ 少し
痛かったけどぼくも笑ったよ

こんな毎日なんだ たった
これだけの日々が ぼくを
こんなにも楽しくさせる
こんなことはかつてなかったよ

もう夜だからきみは眠ればいい
ぼくは大陸になろう きみは
その上を眠りながら滑ってゆけばいい
オアシスは間近だ

そしてぼくは島になろう
きみがそこで青空を見上げて
ふとぼくのことを思う場所に―
きみは青空が好きだったね

ぼくの字は読みづらいから
手紙はよすよ また
会えるね お茶を飲みながら
きみのいたずらっぽい目が見たい

それじゃぼくももう眠るよ
きみの眠りの邪魔をしないように
ソッとこのペンを措こう
そして灯りを消しに腰を上げよう
21/01/16 22:24更新 / 武中義人



談話室



■作者メッセージ
暮れまでと、元旦からの陽の強さは、まるで違うのです。今年は、年頭が冷えましたが、それでも小鳥は、その変化を知っています。多くの鳴き声が、今朝も竹藪に響いておりました。

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