もう人生のトゲが
抜け去ってもいい頃だ
明日になればその傷も
陽の光りにテカテカと照っているだろう

明日にならなければ
分からないことの方が多い
そして今まで分かっていたことを
明日忘れ去ることだってあり得る

きっと時間はぼくたちの上や下を
平等に流れているのだろう
そしてその人の内側に　きつく
その痕跡を残してゆくのだろう

それが人生のトゲではなく
多く＜知恵＞として残ってゆく
でこぼこばかりの道のりを
悔やんでばかりではもったいない

失敗や失恋など　うまく
ゆかないことばかりが気になっても
明日は必ずやってきてくれる　ほら
時間の波が背後から打ち寄せている

人生が毎日であったら素敵だ
ぼくはありのままを生かそう
例えばここにある本を
余り急いで読まないことにしよう

吐き出すようだった青春を
ぼくはことさら嘆いてはいない
その時々に向かって今吠えられるとしたら
それも幸せなのではないか

もうそろそろ人生のトゲは抜ける
明日からぼくは明日以降の人間になろう
自然とそう思えてくるのだ
明日の朝　空を見上げてみよう

■作者メッセージ
寒さが募りますが、陽は確実に長くなっています。年齢に関係なく、これからに、明日に信を置くことは、大切なのではないでしょうか。