ポエム
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空が晴れていたので―
両目を光りにさらすと
涙が溢れてくるのはどうしてだろう
きっとそれは光りの粒子が
優しさに触れ合いながら
目を祝福しているからだろう
光りは哀しさの中にある だから
哀しさは哀しさによって癒される
涙はその哀しさをぼくらに知らせるもの
誰もが涙を流せるんだ
ほらきみも きっと美しくなれるはず
だからもう隠さないで ぼくや
きみのありったけのものを―
だからもう俯かないで
俯いた影は
他人の手を拒むものだ
せめて俯いたところから 少し
目を上げようとしてご覧
他の人の手が好意的に見えてくるよ
悪いことがあった それは過去だ
悪いことがある それは今だ
良いこともあるだろう それは未来だ
全部時の流れ―一度だって
それによって 光りが
失われたことがあるかい?
きっと空は晴れていて
その下を歩いていたんだよ

ぼくは気付こうと思った
空が晴れていることに―
そしてもっともっと自分を
心地よく 大きく
ふくらませようと思った
そうしたらぼくは初めて
自分が生きていることに気付いたよ
20/12/06 15:55更新 / 武中義人



談話室



■作者メッセージ
暖かです、こちらは。これから、少し散歩に出ます。

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