ポエム
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その酒場
この酒場にくると
いつもは寡黙な男たちが
ポツリとしゃべり出すという
男の過去が <今>と
直結するためだろう

私もその酒場にいってみた
乱れた雰囲気は何もなく
塩を舐めながら
樽酒を傾ける
男たちの群れがいるばかり

その時(午前零時だった)
一人の男が立ち上がり
即興の詩を朗読し始めた
そして傍らにある

ギターを持ち上げ
曲をつけ 歌い出した
そこは港町ではなかった
しかし―港町の似合う酒場であった
20/10/31 05:05更新 / 武中義人



談話室



■作者メッセージ
私は、お酒は一滴も飲めぬのです。タバコとコーヒーだけは、やめられませんが―。

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