真っ赤な満月
視線を逸らさない街―
目線のあたりに
狂気がたむろする
街―平板を拒否した
凹凸の月
街―川の流れを斥けた
人の流れよ
濃紫(こむらさき)の夕暮れ時
イチジクを買って
舌の痺れに目が覚めて
見つめると
道路工事の看板が
昨夜来の台風に傾きかけて
ガードレールに引っ掛かっている
それを元の場所に戻して
そのてっぺんに イチジクの
食べさしを置いて
急に暗くなってきた
帰り道を急いだ
携帯が鳴る
彼女からだ―
あわてて耳に当てると
その拍子に見上げた
ビルディングの向こうに
真っ赤な満月―
目線のあたりに
狂気がたむろする
街―平板を拒否した
凹凸の月
街―川の流れを斥けた
人の流れよ
濃紫(こむらさき)の夕暮れ時
イチジクを買って
舌の痺れに目が覚めて
見つめると
道路工事の看板が
昨夜来の台風に傾きかけて
ガードレールに引っ掛かっている
それを元の場所に戻して
そのてっぺんに イチジクの
食べさしを置いて
急に暗くなってきた
帰り道を急いだ
携帯が鳴る
彼女からだ―
あわてて耳に当てると
その拍子に見上げた
ビルディングの向こうに
真っ赤な満月―