小さな風景
傷負い人の涙は
朝日に潤い
ちょうど彼が見上げた位置から
10メートル前方を
仔猫が走ってゆくのです
彼はしゃがみました
その仔猫が 自分に
近づいてくるか
試すためです
仔猫が駆け寄ってきます
彼は手を差し伸べて
再び泣きました
仔猫に パンと
ミルクを買ってきて
それが ガツガツ食べるのを
彼は嬉しそうに見ています
灰色の空が
内側から輝きながら
晴れ渡ってゆきます
仔猫と彼と―
それは小さい風景です
しかし とびきり美しい―
朝日に潤い
ちょうど彼が見上げた位置から
10メートル前方を
仔猫が走ってゆくのです
彼はしゃがみました
その仔猫が 自分に
近づいてくるか
試すためです
仔猫が駆け寄ってきます
彼は手を差し伸べて
再び泣きました
仔猫に パンと
ミルクを買ってきて
それが ガツガツ食べるのを
彼は嬉しそうに見ています
灰色の空が
内側から輝きながら
晴れ渡ってゆきます
仔猫と彼と―
それは小さい風景です
しかし とびきり美しい―