二人の女性へ
私が血を吐いて震えていた時
母は 私の握り拳を掴んで
乳房に持っていった 何も
言えず 私は涙にくれた
二年後 母は事故で他界したが
その時は涙さえ出せなかった
自分の傲慢さに今啞然とする
二日後の夜 私は泣きに泣いた
二十年が経って 私は一人の
女性と知り合うわけだが
彼女の優しさと常に見せる
微笑に心魅かれずにはおれなかった
さびしすぎてどうにも動けなかった時
彼女は私の手を乳房にあてがって
―いつでもお帰りなさい と言うわ
私はどうしていいか分からなかった
現在は想い出になってしまったが
今日とは違った新しい明日があると
身を以って教えてくれたのは
この二人の女性に違いなかった
今日を生きる私は 更に
明日を目指して溌剌とゆく
そのことがせめてもの恩返し
私は本当に大馬鹿者です
母は 私の握り拳を掴んで
乳房に持っていった 何も
言えず 私は涙にくれた
二年後 母は事故で他界したが
その時は涙さえ出せなかった
自分の傲慢さに今啞然とする
二日後の夜 私は泣きに泣いた
二十年が経って 私は一人の
女性と知り合うわけだが
彼女の優しさと常に見せる
微笑に心魅かれずにはおれなかった
さびしすぎてどうにも動けなかった時
彼女は私の手を乳房にあてがって
―いつでもお帰りなさい と言うわ
私はどうしていいか分からなかった
現在は想い出になってしまったが
今日とは違った新しい明日があると
身を以って教えてくれたのは
この二人の女性に違いなかった
今日を生きる私は 更に
明日を目指して溌剌とゆく
そのことがせめてもの恩返し
私は本当に大馬鹿者です