ポエム
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天然のカラー
朝 鳥が最初に穿つ空間になりたかった
そのためには早起きをしなくてはならない

二十代 夜を征服してやろうと思って
やってきた数々の愚行は微塵に砕け散った

夜からの逃亡―真昼に生きるために
ひたすら眠りに眠った そして

出会った朝 私はキョトンと周りを見回した
笑えてきて その日は一日中上機嫌だった

肯定的に物思うことを覚えた たとえ
粗末な食事でも美味しく食べれば栄養になる―

そこから明るみの方へ歩み寄っていった
それは間違いではなかったろうと思うのだ

天然のカラーが夜明けから段々と
自分へと豊潤な生きる膂力を与えてくる

その実感がその後の毎日を成り立たせていった
暗かった平面が その位階を含めて 自然と

開けを伴った立体的な澄明さに変じていった
それは今までとは逆転した構図だったが

受け容れるのに何の躊躇も必要ではなかった
鳥は今朝もあの灰色の空へと翼を広がている
24/03/04 17:11更新 / 武中義人



談話室



■作者メッセージ
青春は必ずしも楽しいものではなく、しかし美しいものですね。

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