ポエム
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点景
晩夏の砂金のような陽光が
肌を直接刺してゆくのは快い
そして公園の砂場に手を入れれば
ビビッと感電するような熱さだ

鉄棒も握れないくらいの熱を持ち
その近くの噴水はキラキラと
やや生々しくもあるように
照り輝いている 鳩が水を飲んでいる

怯える気色も全くなく
悠々と真昼の祝福を享けている
私はそれらを眺めながら
アイスクリームを食べていた

沿道の向日葵がまるで
微笑むように首を持ち上げる
高校生が水をやっていた
真っ黒に日灼けした逞しさだ

今 1時過ぎの普通列車が
踏み切りを通り抜けてゆく
赤い車体は目に痛い 加速して
踏み切りは勢いよく上がった

コオロギが一匹 仲間を
呼ぶように跳ねていった
遠くで雷が鳴った―雨が
近いぞ―自転車を漕いだ

汗まみれで辿り着いた我が家
顔を石鹸で洗うと キュルキュルと
タオルが滑ってサッパリとした
降り始めた激しい雨がひとときの涼を―
23/09/27 15:55更新 / 武中義人



談話室



■作者メッセージ
まだまだ暑く、それでも凌ぎやすくなりました。

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