ポエム
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広がりゆく空のために
  1

目は精神と合体し
広がりゆく空のために
その目蓋は開かれてゆく
朝の可能性はその一日をかぐわしく香らせる

  2

椿の赤がその朝明(あさけ)に燃え
竹藪の小鳥たちがささやき交わし
或る空間がぼくに向かって発火すると
その火は清潔にぼくの胸の裡で躍り上がる

  3

道路が白く輝いてゆく
そこを犬を連れた奥さんが
歌いながら通り過ぎてゆく
犬は空に向かって放尿する

  4

今朝見た夢の一部が
肉片のように頭にこびり付いて
そこから明るい一日が陽に照らされてゆく
明日に繋がるから<今日>と呼ばれる

  5

10時―畑の煙が立ち昇る
もうこんなに夏草は生え放題で
それを削って燃やしているのだ
猫がゆっくりと庭の隅を歩いてゆく
20/07/22 20:04更新 / 武中義人



談話室



■作者メッセージ
今日は、いつも特別な一日。

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