広がりゆく空のために
1
目は精神と合体し
広がりゆく空のために
その目蓋は開かれてゆく
朝の可能性はその一日をかぐわしく香らせる
2
椿の赤がその朝明(あさけ)に燃え
竹藪の小鳥たちがささやき交わし
或る空間がぼくに向かって発火すると
その火は清潔にぼくの胸の裡で躍り上がる
3
道路が白く輝いてゆく
そこを犬を連れた奥さんが
歌いながら通り過ぎてゆく
犬は空に向かって放尿する
4
今朝見た夢の一部が
肉片のように頭にこびり付いて
そこから明るい一日が陽に照らされてゆく
明日に繋がるから<今日>と呼ばれる
5
10時―畑の煙が立ち昇る
もうこんなに夏草は生え放題で
それを削って燃やしているのだ
猫がゆっくりと庭の隅を歩いてゆく
目は精神と合体し
広がりゆく空のために
その目蓋は開かれてゆく
朝の可能性はその一日をかぐわしく香らせる
2
椿の赤がその朝明(あさけ)に燃え
竹藪の小鳥たちがささやき交わし
或る空間がぼくに向かって発火すると
その火は清潔にぼくの胸の裡で躍り上がる
3
道路が白く輝いてゆく
そこを犬を連れた奥さんが
歌いながら通り過ぎてゆく
犬は空に向かって放尿する
4
今朝見た夢の一部が
肉片のように頭にこびり付いて
そこから明るい一日が陽に照らされてゆく
明日に繋がるから<今日>と呼ばれる
5
10時―畑の煙が立ち昇る
もうこんなに夏草は生え放題で
それを削って燃やしているのだ
猫がゆっくりと庭の隅を歩いてゆく